開発行為に関する法令は多岐にわたり、ある事例に対して、どのような法令が関わり、どのような手続きが求められるかは様々です。
ここでは、当事務所の所在する守山市を例として、それらの情報を集めてみます。
※ページ作成時点の法令に基づきます。また、当事務所による解釈が含まれます。
関係法令・資料
- 都市計画法 外部リンク:電子政府の総合窓口 法令検索
開発に関し最も基本となるルール。 - 都市計画法施行令 外部リンク:電子政府の総合的窓口 法令検索
- 守山市都市計画法に基づく開発許可等の基準に関する条例 外部リンク:守山市例規集
法律に基づく条例なので、都市計画に関する守山市内のローカルルールのようなものです。
法のなかで「条例で定める」とされている内容や、法では網羅されていない細かいルール等を定めています。 - 守山市開発指導要綱 外部リンク:守山市(開発調整課)
- 都市計画法に基づく開発許可制度の取扱基準/技術基準 外部リンク:守山市(開発調整課)
- 守山市地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例 外部リンク:守山市例規集
- 守山市都市計画法等施行細則 外部リンク:守山市例規集
- 守山市の地区計画 外部リンク:守山市(都市計画課)
対象となる土地が地区計画に含まれているかどうかと、その地区計画の内容が分かります。 - 都市計画図 外部リンク:守山市(都市計画課)
対象となる土地が都市計画におけるどの地域に属するかが分かります。
開発行為の種類と必要手続き
①資材置き場・露天駐車場
500㎡以上の資材置き場や露天駐車場の造成工事は、都市計画法第4条第12項に規定する開発行為には該当しませんが、守山市開発指導要綱第2条の規定により、市に対し開発事業の同意申請が必要です。
市では単に「要綱」と呼ばれたりしています。
- 500㎡未満の資材置き場や駐車場の造成は申請の必要なし(但し農地である場合、農地法の許可申請などは必要となりうる)
②宅地造成(市街化区域)
まずその場所が市街化区域なのか、市街化調整区域なのかを都市計画図で確認します。
そして市街化区域内であれば、次のような規模以上の宅地造成(開発行為)において許可申請を必要とします。
- 区域内に道路を設ける分譲宅地だと、500㎡以上で開発許可が必要になります。
- 区域内に道路を設けない分譲宅地か、工業専用地域に建てる工場などの敷地であれば、1,000㎡以上で開発許可が必要になります。
この規定にもとづいて、分譲宅地を販売する不動産業者さんは、区画した宅地への進入路を道路にせず、私有地の進入路として、いわゆる旗竿地の形で区画されることがあります。道路がなければ500㎡の規定の対象にならず、1,000㎡までの規模なら開発許可不要となるからです。
| 市街化区域での宅地造成 | |||
| 1000㎡以上 | 1000㎡未満 | ||
| 許可必要 | 500㎡以上 | 500㎡未満 | |
| 道路新設 | 道路なし or工業専用地域 |
許可不要 | |
| 許可必要 | 許可不要 | ||
ちなみに、この面積制限の根拠となる条文は、都市計画法第29条第1項と、都市計画法施行令第19条になります。
都市計画法
第29条 都市計画区域(中略)において開発行為をしようとする者は、あらかじめ、(中略)都道府県知事(中略)の許可を受けなければならない。ただし、次に掲げる開発行為については、この限りでない。
一 市街化区域(中略)において行う開発行為で、その規模が、それぞれの区域の区分に応じて政令で定める規模未満であるもの都市計画法施行令
第19条 法第二十九条第一項第一号 の政令で定める規模は、次の表の第一欄に掲げる区域ごとに、それぞれ同表の第二欄に掲げる規模とする。ただし、同表の第三欄に掲げる場合には、都道府県(中略)は、条例で、区域を限り、同表の第四欄に掲げる範囲内で、その規模を別に定めることができる。
第一欄 第二欄 第三欄 第四欄 市街化区域 千平方メートル 市街化の状況により、無秩序な市街化を防止するため特に必要があると認められる場合 三百平方メートル以上千平方メートル未満
ここでまず、第一欄・第二欄により、1000㎡の制限が設けられ、更にただし書で、条例により第四欄の範囲内で更に狭い制限を設けられるとあります。
そしてこれを定めた守山市の条例が「守山市都市計画法に基づく開発許可等の基準に関する条例」第2条になります。
第2条 政令第19条第1項ただし書の規定に基づき条例で定める開発行為の規模は、市街化区域のうち工業専用地域を除いた区域に限り、500平方メートル(ただし、開発区域内に複数の住宅の敷地を配置し、道路を開発区域内に配置するものに限る。)とする。
宅地1区画辺りの面積
この市街化区域での分譲住宅地開発で、区画割をする時の一戸建て宅地1区画あたりの面積は、守山市開発指導要綱第4条第8項で、下限が定められています。
1区画の面積がこの数値以上になるようにしなければなりません。
| 用途地域 | 宅地面積 |
|---|---|
| 第一種低層住居専用地域 | 180㎡ |
| 第一種中高層住居専用地域 | 165㎡ |
| 第二種中高層住居専用地域 | 165㎡ |
| 第一種住居地域 | 150㎡ |
| 第二種住居地域 | 150㎡ |
③宅地造成(市街化調整区域)
さて、市街化区域については、もともと市街であったり、今後も市街化を進めて構わないと定められた区域なので、開発に関する法令についても、「基本的にはOKだけど、ある程度の安全性や品質は守ってほしいから基準は作っておくね」というスタンスで定められていました。
しかし、市街化調整区域はそうではありません。「むやみに市街化を進めるのはやめておこう」として定められた区域です。ですので市街化区域とは逆に、開発は「基本的にはNGだけど、一定の事情があれば例外的にOKとするよ」というスタンスで法令が定められています。
具体的には、市街化調整区域での開発行為は、都市計画法第34条の各号のいずれかに該当しなければ、許可できないとされています。
というわけで、市街化調整区域の土地を開発できるかどうかは、この都市計画法34条の各号のどれかをクリアできるかどうかにかかってきます。
それではこの法34条各号の中で、独断により要件をいくつかピックアップしてみます。
1号 主として当該開発区域の周辺の地域において居住している者の(中略)日常生活のため必要な物品の販売、加工若しくは修理その他の業務を営む店舗、事業場その他これらに類する建築物の建築の用に供する目的で行う開発行為
34条1号では公益施設と店舗・事業所目的の開発許可基準を設けています。公益施設は保育所や介護施設になります。そして店舗・事業所は、具体例として表に挙げられていますが、近隣住民が利用できるものであればだいたいはOKになります。なお、令第22 条第6号により、敷地が100㎡以内・建物の述べ面積が50㎡以内であれば、法第29条第1項第11号「通常の管理行為、軽易な行為その他の行為で政令で定めるもの」に該当し、同項ただし書により、許可不要となります。
また、敷地の面積には次の上限がかかっています。
小売・飲食・医療・サービス業…500㎡
自動車整備工場や機械修理業…1,000㎡
給油所…1,500㎡
その他…2,000㎡
10号 地区計画(中略)の区域(地区整備計画又は集落地区整備計画が定められている区域に限る。)内において、当該地区計画(中略)に定められた内容に適合する建築物(中略)の建築又は建設の用に供する目的で行う開発行為
11号 ※この規定に基づき条例で指定された区域内の土地に対し、一定の条件下で許可を出すものですが、守山市では平成29年現在、該当する条例自体が未制定であるため、こちらに基づいた許可申請をすることはできません。
12号 開発区域の周辺における市街化を促進するおそれがないと認められ、かつ、市街化区域内において行うことが困難又は著しく不適当と認められる開発行為として、政令で定める基準に従い、都道府県の条例で区域、目的又は予定建築物等の用途を限り定められたもの守山市都市計画法に基づく開発許可等の基準に関する条例
第3条 法第34条第12号に規定する条例で区域、目的または予定建築物等の用途を限り定める開発行為は、(中略)別表に掲げる開発行為とする。別表1(概略)
1 世帯の分化に伴う自己用住宅
2 (市街化調整区域内の)借家からの転居
3 既存宅地における一戸建て専用住宅